三輪皮フ科形成外科

タトゥー(入れ墨)除去 モニター(その1)

タトゥー(入れ墨)除去の術前
↑術前。
タトゥー(入れ墨)除去の術後
↑術後。

左前腕、星型のタトゥーです。

4cm程の大きさなので、1回で除去できました。

星型を利用して、W形成術で塞ぎました。

同じタトゥー(刺青、入れ墨)でも、部位や大きさによって治療回数が変わります

その人の肌質体型部位によって皮膚の伸びやすさ(伸展性)が変わりますし、タトゥーの大きさによっても条件が変わるからです。

前腕は割りと皮膚が伸びるので入れ墨も切除しやすいです。

足首手首の周囲のタトゥーとなると、完全に除去しようとすると、どうしても複数回の切除が必要となることがほとんどです。

ちなみにレーザーではタトゥーを完全に取り除くことは(ほぼ)不可能です。

理由は・・・

タトゥーの色素が入っている深さまでレーザーのエネルギーが十分届かないからです。

レーザーのエネルギーをタトゥーの色素が入っている深さまで届かせようとすると、出力(パワー)を上げなければならないのですが・・・、

タトゥーが消えないからと言って、出力をどんどん上げていくと・・・・・今度は火傷を起こします

火傷の後には白っぽい傷が残ります。

 

タトゥー(入れ墨)除去の術前
↑他院でのレーザー治療前。 
タトゥー(入れ墨)除去の照射後
↑複数回照射後。出力を上げれば白い瘢痕が残ります。

そもそもレーザーを照射するということは、意図的に火傷を起こすということなのです。

ほどほどの強さのレーザーでわざと軽い火傷を起こし、シミやアザ、刺青(入れ墨)などの色素病変の治療をしているのですが、

レーザーの出力を上げれば、火傷の程度も強くなり、その跡もどんどん醜くなっていきます。

「薬も過ぎれば毒となる」というわけです。

 

私は、レーザーでタトゥーが消えた症例を今まで2人くらいしか見たことがありません。

タトゥーがレーザーで消えるというのは幻想に過ぎません。

現実的には、切除するしかないのです。