三輪皮フ科形成外科

鼻尖形成術 モニター(その1)

鼻尖形成術の術前
↑術前。正面。
鼻尖形成術の術後
↑術後1か月。正面

鼻尖形成術

ダンゴ鼻を修正する治療ですが、縮小させるだけでは鼻尖「縮小」術です。

鼻尖形成術は、「縮小効果」と、「形を整える効果」、両方を目的とする術式です。

20代女性

open approachでの鼻尖形成術です。

鼻孔内と鼻柱部皮膚を切開し、大鼻翼軟骨の一部トリミングと形成、耳珠軟骨を支柱として移植しました。

正面像の写真では、あまり変化がないように見えますが、実際にはかなり鼻先が細くなっています。

鼻尖形成術の術前
↑術前。左斜面。
鼻尖形成術の術後
↑術後1か月。左斜面。

現在、当院で採用しているのは、いわゆるstrut法の変法です。

当術式で行う操作は、大まかに言うと、

1.大鼻翼軟骨の頭側(上側)のトリミング。

(鼻の頭の上側の丸い部分を取り除く。)

2.鼻尖部の皮下(軟部)組織のトリミン

3.大鼻翼軟骨の口側(下側)の形成。

(大鼻翼軟骨の内側脚と中間脚をいったん離断し、中間脚を反転し、耳介などから採取した軟骨を支柱(strut)として移植する。)

・・・なのですが、言葉だけで説明されても、何が何だか解らない・・・

・・・と感じる方がほとんどだと思います。

(興味を持たれた方には、図示しながら説明致しますので、カウンセリングにお越しください

鼻尖形成術の術前
↑術前。右側面。
鼻尖形成術の術後
↑術後1か月。右側面。

過去に様々なパターンで鼻尖形成術を行ってきましたが、

このstrut法(変法)は、非常に優れた術式です。

1.自然で、

2.細く

3.高く

4.鼻尖の最高点(nose tip)の位置を調節できる。

更に、

5.(下から見た時の)鼻孔の形が保たれる

…と、美しい鼻尖を造作するのに必要な条件を全て兼ね備えています。

4.について、写真をもとに少し見てみます。

鼻尖形成術の術前
↑術前。
鼻尖形成術の術後
↑術後。

術後の写真の外鼻にも、術前の各境界線に該当する部位に、同様の輪郭線(黄色線)を書き加えました。

supra tip(鼻先の上側の面)とinfra tip(鼻先の下側の面)、鼻孔縁周囲に輪郭線(黄色線)を書き加えました。

鼻尖(tip)が斜め前方に突出し、up noseが解消されていることが確認できます。

 

鼻尖形成術の術前
↑術前。側面。
鼻尖形成術の術後
↑術後。側面。

側面像ではup nose気味なのは明らかです(オレンジ輪郭線)。

また、鼻尖(tip)から頬に引いた垂線(黄色線)の先は、鼻翼の最も上部ですが…

垂線(黄色線)は、鼻翼の少し下の方にたどり着いた形になっています。

また、up noseが解消されていることが分かります(輪郭線)。

鼻尖形成術の術前
↑術前。下から。
鼻尖形成術の術後
↑術後。下から。

5.については、下からの写真をご覧ください。

鼻尖が細く高くなっていることは一目瞭然ですが、注目してもらいたいのはそこではありません。

見て頂きたいのは、鼻孔の形 です。

術前に比べ、少し細長くなったのは手術の(望ましい)効果ですが、ありがちな“角の尖った三角形のような鼻の穴”になっていません。

また、写真は術後1か月の症例ですが、鼻柱部分の傷跡は、少々赤い程度で、ほとんど目立ちません。

鼻尖形成術の術前
↑術前。左斜面。
鼻尖形成術の術後
↑術後1か月。左斜面。

…とこんなに優れたstrut法(変法)ですが…、

これはopen approachあっての術式です。

鼻柱切開を伴わない closed approachでの鼻尖形成術は、

1.(open approachと比較して)効果が出しにくい

2.不自然な仕上がりになることがある。(小鼻との境目に縦スジができる、polly beak deformityが残る可能性があるetc.)

3.止血がしづらいため、かえって回復に時間がかかる

…であるため、私はあまり好みません。

鼻尖形成術の術前
↑術前。右斜面。
鼻尖形成術の術後
↑術後1か月。右斜面。

open approachでの鼻尖形成術に踏み切れない、その理由は、「鼻柱切開を伴う」ことだと思いますが、

(縫合で手を抜かなければ)術後1か月目には鼻柱部の傷はかなり目立たない状態となります。

高い効果と引き換えの鼻柱切開は、破格の(安い)代償と言っても過言ではありません。

長い目で見たときの仕上がりの良さを考えると、

鼻尖形成術は open approachでの術式を選択すべきだと(今のところは)考えます。