三輪皮フ科形成外科

二重あごの治療(顎下の脂肪摘出術)モニター(その1)

二重あごの治療(顎下の脂肪摘出術)の術前
↑術前。右側面。

顎下の脂肪摘出

30代女性

二重顎と顎下のタルミを同時に治療するための方法です。

今までありそうでなかった治療です。

頬や上下眼瞼のタルミはもちろん老化の症状ですが、アゴの下のだぶついた感じもかなり老けた印象を与えます。

頻繁にタルミの相談を受けますが、皆さんの訴えは、頬や、目の上、目の下のタルミです。

アゴの下のタルミや二重アゴについては、それほど気にしていないようです。

ネックリフトなど頚部のタルミ治療も存在しますが、

経験上、タルミの程度が中等度以下で、且つ皮下脂肪が少ない症例以外には効果が薄いように感じます。

顎下から頚部の、タルミと皮下脂肪、この二つを同時に解消する方法はないものかと思案した結果、

辿り着いたのが、今回紹介する施術です。

二重あごの治療(顎下の脂肪摘出術)の術前
↑術前。左側面。
二重あごの治療(顎下の脂肪摘出術)の術1年後
↑術1年後。左側面。

この治療は、脂肪吸引とは似て非なる治療です。

治療の要点は以下の二つです。

1.顎の下を小切開し、そこから不必要な皮下脂肪を除去する。

2.両頸部に小切開し、広頚筋膜を短縮する。

一言で言うと、これだけの手術ですが、当然実行するにあたり細かな要点や要領がいくつかあります。

二重あごの治療(顎下の脂肪摘出術)の術前
↑術前。右斜面。
二重あごの治療(顎下の脂肪摘出術)の術1年後
↑術1年後。右斜面。

次に、顎下の脂肪吸引との相違点を以下に記します。

1.傷跡について。 

脂肪摘出術:顎下正中に2㎝。

         下顎骨両側(エラ)の下部に各1㎝。

    脂肪吸引:顎下正中に1㎝。両耳垂下部に各1㎝。

2.腫れ、内出血について。

    脂肪摘出術:直視下での操作となるため、直接止血が可能。

         腫脹内出血共に少ない。

    脂肪吸引:出血点を直接見ることができないため、

        皮下で出血してもその場で止血できない。

       (術後圧迫での止血となる。)腫脹内出血共に多い。

3.術後の顎下の硬さについて。

    脂肪摘出術脂肪吸引共に6か月は硬い。

4.摘出できる脂肪の量について。

    脂肪摘出術:直視下での操作となるため、

         効果を得るのに必要な量は全て摘出できる。

    脂肪吸引:目で見えない部分の脂肪を、

         カニューレで吸引するので、

         真皮や広頚筋膜に強く付着している脂肪は

         除去することができない。

        (個人差あるが)少量のみの摘出となる。

5.タルミの改善効果について。

    脂肪摘出術:・広頚筋膜の短縮の処理を行うため、

         皮膚より深部でのタルミの引き上げ効果を伴う。

         ・除去できる脂肪の量が多い分、

         真皮と広頚筋膜の接触面が増えるため、

         (皮膚の)タルミを引き締める効果が強い。

    脂肪吸引:除去できる脂肪の量が少なく、

         真皮と広頚筋膜の接触面積が少ないため、

         タルミ引き締め効果は弱い。

6.術後のボコボコなどの合併症について。

     脂肪摘出術:直視下での操作であるため、

      部位によって残存する脂肪の量の不均一が生じない。

        そのためボコボコになることはない。

     脂肪吸引:一般的にcrisscross法によるカニューレ操作で、

         ボコボコが出にくくしている。

          しかし、より効果を出そうとして、

           浅層(真皮側)の皮下脂肪を削るように

          フェザーリングロッドやカニューレで操作をすると、

         多少はボコボコした仕上がりになる可能性がある。

…という感じです。

二重あごの治療(顎下の脂肪摘出術)の術前
↑術前。正面。
二重あごの治療(顎下の脂肪摘出術)の術1年後
↑術1年後。正面。

傷の長さについてのみ、脂肪吸引に劣りますが…

脂肪吸引より効果が高く、リスクの少ない治療です。

ここは、「丁寧な縫合による2㎝の創と、慌てて適当に縫った1㎝の創は、前者の方が目立たない創となる」ように、

縫合技術の腕でカバーする…ということで如何でしょう。

今までありそうでなかったのは…

ずばり、すごく手間がかかるからだと、思っています。