三輪皮フ科形成外科

口唇のヒアルロン酸 モニター(その1)

私が子供の頃は、唇が厚ぼったい人はタラコ唇だのいかりや長介だのと、からかわれることが多いものでした。

ところが、10年ほど前より外国人映画女優の影響で厚い唇が好まれるようになってきました。

更に、ここ3年ほど前からは上口唇の両側に厚みのある「アヒル口」を希望される人が増えました。

薄い唇を単にふっくらさせるのではなく形までデザインしたい、というように少しずつニーズが変わってきているんですね。

唇を厚くする治療が、具体的にはどんな方に適している治療なのかと言えば・・・

1.唇の形を変えたい人。

2.唇が薄い人。

3.唇に縦シワが多い人。

4.唇が乾燥してカサカサする人。(ヒアルロン酸のみ適応。)

・・・などです。

3.4.については意外だと思われるかと思いますが…

3.については、老化で唇が痩せてきた方に有効です。

4.は、ヒアルロン酸の水分を引き寄せて貯める性質を利用した用途です。

唇に厚みを持たせる方法はいくつかありますが、メスを使う手術をすることは滅多にないので、

今日はでは注入により唇を厚くする方法を紹介します。

1.ヒアルロン酸

2.PRP

3.脂肪注入

1.ヒアルロン酸を注入して唇を厚くします。

最も手軽で、速効性もあり、デザインしやすい治療です。

2.PRPというのは、自己多血小板血漿注入療法、の略です。

自分の血液を少量採取し、遠心分離機で血小板だけ濃縮した状態で抽出します。

その血小板を口唇に注射すると、コラーゲンが増えてふっくらする、という治療です。

コラーゲンが増えるのには、それなりに時間がかかります。

効果が実感できるまで3ヶ月くらいは待たなくてはなりません。

コラーゲンが増える量には個人差があります。

どの程度ふっくらするのかは、やってみないと分からない というのがネックです。

ひとたび効果が出れば、以後は安定して持続します。

3.おしりやお腹から皮下脂肪を吸引し口唇に注入する方法です。

こちらも安定して効果が持続しますが、安定するまでに数週間かかります。

脂肪は注入した分が、そのまんま口唇に残るワケではなく、注入した脂肪の3~5割しか生着しません。

逆に言えば減ることを見越して多めに脂肪を注入する必要があります。

それぞれ一長一短ありますが、流行り廃りも含めて考えると、気に入らなければいつでも元に戻せる治療が良いのかも知れません。

今のところ、ヒアルロン酸による治療が最も人気があるようです。

口唇のヒアルロン酸の注入前
↑↑口唇 ヒアルロン酸注入前↑
口唇のヒアルロン酸の注入後
↑↑口唇 ヒアルロン酸注入後↑
口唇のヒアルロン酸の注入前
口唇、涙袋ヒアルロン酸注入例。注入前。
口唇のヒアルロン酸の注入後
口唇、涙袋 ヒアルロン酸注入例。注入後。上のモニター写真と同一。

例によってやりすぎると不自然な口唇になります。

アヒル口にするには、主に上口唇の両側のボリュームを出すのですが、膨らませすぎると犬の口のようになってしまいます。

(こんな口 → 

【ヒアルロン酸注入】ヒアルロン酸を注入し、凹みを目立たなくする。起こりうる合併症(リスク)と時期:術後3日後まで、針穴や刺し口に一致したぷつぷつした腫れ。術後1から2週間は内出血。元々ある左右差や望ましくない状態の残存。